【勉強会開催報告】「Smart Cities and People’s Health /Well-being」 〜スマートシティと健康/ウェルビーイングを考える〜 (地域IoTと情報力コンソーシアム/健康情報コンソーシアム合同勉強会)

スマートシティ/スマート・コネクテッド・コミュニティにおいて、技術が生活の利便性やQoLを高める一方、自然との共存や長期的な心身のウェルビーイングの実現・促進は課題となっています。

今回10/3(金)、地域IoTと情報力研究コンソーシアムとの共催により、ドイツより「人間医学アカデミー(AMM)」や 「健康情報と予防のためのドイツ財団 (DSGIP)」設立者/代表者であり、核医学をベースに予防医学と栄養学の専門を超てライフスタイル医学として総合的かつ包括的な新医学概念を発展させたヨルグ・シュピッツ先生をお迎えし、スマートシティおよび我々のウェルビーイングの両立について議論を行いました。

当日は、冒頭のコンソーシアム紹介の後、シュピッツ先生から人類の進化の過程とVitamin D、紫外線等の役割についてご講演頂きました。また順天堂大学坂本先生からは、日本におけるビタミンD不足の現状や近年のくる病の増加などについてご報告頂きました。東京大学西山先生には、スマートデバイスやウェアラブルデバイスを使った都市や人に関するセンシング技術「AWARE Framework」や「Senbay」とのその応用例についてご紹介頂きました。大越からはユビキタス・コンピューティングからウェルビーイング指向コンピューティングへの研究進展状況と、その先にある人の合理性の限界を支援するコンピューティングの未来像についてご紹介いたしました。

  • ご挨拶 〜地域IoTコンソーシアム、健康情報コンソーシアムの取り組み〜
    大越匡 (慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 特任准教授)
    柘植晃 (慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 研究員)
  • “Optimum Health for Smart Cities – Bridging the Gap between Evolution and Civilization”
    ヨルグ・シュピッツ / Joerg Spitz
    人間医学アカデミー(AMM)/ 健康情報と予防のためのドイツ財団代表責任者
    Akademie für menschliche Medizin / Deutschen Stiftung für Gesundheitsinformationen und Prävention
  • 「TeamBONE: ビタミンD欠乏ゼロへの挑戦」
    坂本優子 (順天堂大学付属練馬病院 准教授)
  • 「都市と人のセンシング技術 for Wellbeing Smart City」(仮)
    西山勇毅 (東京大学生産技術研究所 助教)
  • 「Computing for Well-being」
    大越匡 (慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 特任准教授)

その後、約30名の皆様も含めたディスカッションが行われました。利便性だけでなく人々のQoL向上を付加価値とするスマートシティについて、また研究、産官学の実証実験、行政や政治といった各フェーズにおける取り組みの重要性について、活発な議論が行われました。