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慶應義塾大学SFC研究所 健康情報コンソーシアムは、孤立しがちな出産後のママを笑顔にするための「産後ママSOSプロジェクト」を2021年にスタートしました。また、3月5日を「産後(35)ママスマイルデー」(https://www.value-press.com/pressrelease/265790)として記念日に制定しています。

研究・教育機関として産後ママに役立つ情報を発信していく本コラム。5月のテーマは「産後のカラダと心」です。
産後の不調は、決して「甘え」ではありません
産後のカラダは、交通事故で全治2ヶ月の怪我を負ったのと同じくらいのダメージを受けると言われています。また、女性ホルモンの急激な変化により、出産後の女性の約30〜50%が「マタニティーブルー」や「産後うつ」と呼ばれる、一過性の情緒不安定(イライラや不安、涙もろくなる、不眠など)になるとの報告もあります。
産後に心が不安定になるのは、誰にでも起こりうる自然な反応であり、決して「お母さんとしての自覚」や「愛情」が足りないせいではありません。むしろ、心と体が一生懸命、新しい生活に慣れようと頑張っている証拠でもあります。
頑張っている産後ママが、遠慮なく「手伝って」と言える。周りもそれを「待ってたよ」とあたたかく受け止める。そんな優しい循環が当たり前になる社会を、私たちはつくっていきたいと考えています。もし身近に産後ママがいたら、そのSOSを温かく受け止めてあげてください。
専門家のケアを賢く利用する「産後ケア事業」
最近では、ママのSOSに応えるための「産後ケア事業」が公的な制度として整ってきました。以下のような形で、助産師・保健師などプロによる母乳ケアやカウンセリング、食事の提供などを受けることができます。
※多くの自治体で「生後4ヶ月まで・合計7回まで」が対象ですが、新しい制度のため、お住まいの市町村によって利用料や実施状況に差があります。まずは地元の保健センターなどへ相談してみるのが第一歩です。
歴史が教える「産後SOS」の重要性
現在、出生児一人につき50万円が給付される「出産育児一時金」ですが、そのルーツは戦前の制度にあります。当時は金銭給付だけでなく、専門家による「産後訪問」によるケアが無償で提供されていました。大家族が当たり前でワンオペ育児とは無縁だった時代ですら、5〜7回の専門的な産後ケアが必要だと考えられていたのです。
産後ケアがより注目され、誰もが使いやすい制度になるためにも、ママたちからの積極的なSOS発信が望まれます。
さいごに
「テリブル2(魔の2歳児)」と呼ばれる時期は、いわば「第二の産後クライシス」。孤独を感じたときは、1990年代のヒット漫画『赤ちゃんと僕』を手に取ってみるのもおすすめです。育児の葛藤を乗り越えるヒントを見つけられるかもしれません。
私たちはこれからも、産後ママが笑顔でいられる社会を目指して、研究と発信を続けていきます。
▼コラム筆者プロフィール
井上従子(イノウエ ヨリコ) 慶應義塾大学SFC研究所 上席所員
慶應義塾大学SFC研究所 健康情報コンソーシアム個人会員メンバー
2026年5月12(水) 、三田 研究室棟 B会議室・zoomにて、 第5回 幹事会 (10:00-10:30) 、第5回チーム会議(10:30-12:00) を開催しました。