慶應義塾大学SFC研究所 健康情報コンソーシアム(神奈川県藤沢市、代表:中澤 仁)に 所属する専門家が、さまざまな健康情報をお伝えします。 健康・医療に関する最新情報や健康改善に向けた対策を毎月コラムとしてご紹介します。

 

【リプロダクティブライフプラン(生殖に関する人生設計)について】

 

 

プレコンセプションケアとは、若い男女が将来のライフプランを考えて、日々の生活や健康と向き合うことです。プレコンセプションケアに関連し重要となるのが、将来、子どもをもつのか、もたないのか、子どもをもちたいとすればいつ頃、何人もちたいか、子どもをもつまでどのように過ごすかという生殖に関する人生設計、すなわちリプロダクティブライフプランです。 リプロダクティブライフプランを考える、といっても漠然としていてどうやって考えたらよいのかわからない、という方のために、考えるいくつかのポイントについてお伝えしたいと思います。

 

まず①結婚するのかしないのか、するのであれば、いつ頃、どんな人と?、もちろん「しない」という選択も尊重されるべきです。次に、②子どもをもちたいのかもたないのか?、もし「もちたい」と考えるのであれば、いつ、何人、どのくらいの間隔で持ちたいのか?、もちろん「子どもをもたない」という選択も尊重されるべきです。このようにリプロダクティブライフプランについてお話しすると「今、付き合っている相手もいないのに💦」というご意見をいただくことがあります。たとえば、今パートナーがいなくても、自分はどうしたいのか、考えることが必要です。もし、「結婚はしたい、子どもももちたい」と考えているのであれば、それが実現できる可能性のあるパートナーと出会うための行動が必要となってくるからです。人生には予測外のことがたびたび起こりますから、プラン通りにならないこともあると思います。それはまったく構いません。転機ごとに見つめ直し、そのときに最適と思われるプランに書き換えていきましょう。ライフプランを立てることによって「自分が送りたい人生、望んでいる生き方」がわかる、まずはそのことが重要です。目標が見えることによって、明日から行動することができる、それがライフプランを立てるメリットです

写真:慶應義塾大学SFC研究所 健康情報コンソーシアム共催イベント (上席所員:本田由佳 提供)

 

▼コラム筆者プロフィール 

西岡 笑子(にしおか えみこ)

防衛医科大学校医学教育部看護学科母性看護学講座教授。慶應義塾大学SFC研究所 健康情報コンソーシアム 賛助会員メンバー。